Herbstick Relaxのレビュー前に、喫味が良いとされるヴェポライザーには共通する構造について考察してみたいと思います。
Davinci IQ・Davinci MIQRO・PAX3・SOLO2・Black Mambaなど例に挙げさせていただきますが、これらの機種はそれぞれに構造が異なります。
構造は異なれど、以下の特徴を有しています。
- 大きめのチャンバー(シャグ保有量が多め:例外solo2)
- 長い煙道(チャンバーからマウスピースまでの物理的距離が長い)
喫味に定評のあるヴェポライザーは例外もありますが、上記の2つを有し、ミストを煙道で冷やし・粉シャグやニコ汁を長い煙道が捉えることなどがプラスに働いていると想像しています。(その他にも機種ごとに加熱方式やマウスピースの形状など喫味に影響するであろう要素はあると思いますが煙道の長さは結構重要な気がします)
と、前置きが長くなりましたが、Herbstick Relaxの主な特徴として以下が挙げられます。
- 本体下部に大きいチャンバー
- 細長い煙道
- チャンバー・煙道・マウスピースが貫通
Herbstick Relaxはあのヴェポライザーにそっくり!! 海外のヴェポライザー販売サイトなどでもここ数年常に上位の評価を得ているロングセラーヴェポライザーのPAX3です。
Herbstick Relaxのざっくりの構造はほぼPAX3です(画像はPAX3)。
チャンバー部分の構造、完全に貫通した煙道、高いメンテナンス性とそっくりです。
もちろん細部の作りは異なりますし、デザイン性やアプリ連携などPAX3は値段相応に丁寧な作り&高機能になっています。
価格は国内価格でPAX3@3万円前後、Herbstick Relax@6000円以下と1/5程度の価格とお買い得です。
もちろん、安くてもイイ部分がなければ安物買いの銭失いになってしまいます。
Herbstick Relaxのレビューから、記事後半で使い方をメインにご紹介していきたいと思います。
目次
Herbstick Relaxのイイ部分とデメリット
- シャグポン率100%
- 高いメンテナンス性
- チャンバー系が広くシャグが詰めやすい
- 120-225℃の温度調整(5℃単位)
- LEDディスプレイ搭載
- バイブお知らせあり(オフも可能)
- インテリジェント自動加熱
デメリットとしては、『バッテリー交換不可』/『マウスピース変更不可』くらいでしょうか。当サイトではローエンド(安い)のヴェポライザーの定義をおおよそ6000円以下と定義させてもらっていますが、この価格帯で、機能面(温度調整幅の広さ/LEDディスプレイ)・喫味の良さ・メンテナンス性の高さ(シャグポン/掃除の楽さ/細部まで出来るか否か)とヴェポライザーの評価ポイントの多くで十分満足のいく仕上がりになっています。
デザイン性は当然ですが、ハイエンド系で2-3万円する機種と比較するとややチープであることは間違いありませんが、使い勝手や喫味の良さなどイイ部分と価格面(6000円以下)を加味するとトップクラスのコスパを誇るヴェポライザーであることは間違いありません。
正直格安のヴェポライザーでガッカリしてしまうより、Herbstick Relaxを買ったほうがいいと思います。で、ヴェポライザーが続けられると判断できそうなら、ミドルレンジか、一気にハイエンドを買って好みを探っていくと失敗しにくいヴェポライザーの入り口の1台として満足度が高い1台になると思います。
ミドルレンジであればFenixなんかがオススメですが、最初のヴェポライザー1台に1万出すのはキツイなぁ・・・、でも失敗したくない!そんな方にHerbstick Relaxは最適な機種です。
Herbstick Relaxのスペック/サイズ
Herbstick Relax | |
---|---|
ブランド名 | CigGo(FyHit) |
加熱方式 | コンダクション |
加熱温度範囲 | 120-225℃ |
加熱リードタイム | 約45秒 |
セッション数 | 約10回 |
セッション時間 | 8分 |
バッテリー容量 | 2200mAh |
バッテリー交換 | 不可 |
サイズ | 10.1×3.5×2.3cm |
重さ | 122g |
価格帯 | 約5800円 |
備考 | 温度設定は5℃刻みで設定 1分間動作無しで120℃に降下 (インテリジェント自動加熱) |
同梱物一覧
Herbstick Relax本体、交換用マウスピース、交換用オーブンフタ(Chamber Lid)、モールクリーナー(パイプクリーナー)×5、クリーニングナイフ、クリーニングブラシ、メタルスティック、交換用スペーサー×3、Micro USBケーブル、取扱説明書(英語)
Herbstick Relaxの使い方
使い方は至ってシンプル!
- Step.1シャグ詰めオーブンリッド(本体下部のチャンバーのフタ)は左右どちらかを押し込むと浮き上がるので、浮き上がった側のフタを持ち上げて外します。チャンバーのフタは磁着しています。
チャンバーは広めなのでシャグの消費は多めです。ギチギチに詰めるとドローはかなり重くなるので好みに合わせて調整も可能です。
ちなみに、同形状といいますか、インスパイア元と思われるPAX3のチャンバー(加熱部)のサイズを比較してみると、チャンバー自体はほぼ一緒の大きさですが、開口部はHerbstick-Relaxの方が大きいです。 - Step.2電源オン電源ボタンを5クリックでスタンバイモードになります。
電源オンと同時に加熱開始するヴェポライザーもありますが、Herbstick Relaxは電源オン後はスタンバイモードとして起動します。
- Step.3温度プラスとマイナスボタンで温度を調節(120-225℃の5℃単位で調整可能)します。
画像は最低温度の120℃です。画像中の上の段が設定温度(Set)、下段が今の温度(run)です。 - Step.4バイブのオンオフ/摂氏華氏切替
- プラスボタン長押し:バイブのオンオフ切替
- マイナスボタン長押し:摂氏(℃)華氏(F)切替
特別なことはなく、バイブのお知らせが必要なければプラスボタン長押しでオンオフ切り替えします。バッテリー残量表示のLED表示が切り替わります。
ただ、画像のように、バイブオンオフの表示が分かりにくいです。画像中の下段のピンク下線のLED表示が点灯しているとバイブがオンの状態です。華氏(F)で使う方はいないと思いますので、もし華氏になってしまったらマイナスボタンを長押しで摂氏(℃)に戻ります。
- Step.5加熱開始
スタンバイモードから電源ボタンを1クリックで加熱が開始します。画像中のピンク下線のランプが点灯します。※インテリジェント自動加熱:1分間本体のボタン操作なし+本体の動作させない(揺らさない)と、1回のバイブとともに自動で温度が120℃まで降下します。本体を揺らすと再度設定温度まで温度上昇します。おそらくシャグの過加熱を防ぎ、喫味をキープするための機能だと思われます。
- Step.6加熱終了/加熱途中中断加熱開始から8分間、もしくは電源ボタン5クリックで強制的に電源オフになります。
掃除・メンテナンス方法
ヴェポライザーのかなり多くの機種は、本体内部構造に行き止まりの箇所があり掃除が行き届きません。
Herbstick Relaxの掃除はチャンバー⇒煙道⇒マウスピースと全てが貫通しており、パイプ用のモールクリーナーを使用することで細部までキレイにすることが可能です。
とりあえず、シャグポンはほぼ100%できます。
マウスピースを外します。(マウスピースは真上に引き抜くと外せます)本体下部のフタ(Chamber Lid)を取り外した状態で、初期付属の細い棒を本体上部から差込みます。チャンバーのスペーサー(薄いステンレス製)を取り除くために使用します。
画像右下のピンク下線が外したスペーサーです(ピンぼけしてます、ごめんなさい汗)
取り外したスペーサーと取り外し用の細いステンレス棒(metalic stick)だけの画像。スペーサーを取り外すと、向こう側が見え、本体内部が貫通した構造になっている事がわかります。
初期でもパイプクリーナー(パイプ用のモールクリーナー)が付属していますが、短いので長めのツゲのモールクリーナーを使用しています。
使い方は簡単で、加熱部からモールクリーナーを出し入れするだけでOK。汚れや匂いが強い場合は無水エタノールを軽く浸してモールクリーナーを出し入れでOKです。
モールクリーナーは海外の取説などですと、Pipe Cleanersと記載がありますが、直訳でパイプクリーナーと検索すると排水口のお掃除器具や洗浄剤が出てしまうので、モールクリーナーと各ショップなどで検索すれば出てくると思います。
分解・電池交換は不可
Herbstick Relaxは分解したり、電池交換ができません。故障した場合などは、メーカーは中国で送料などを考えると修理依頼は難しいと思います。
Amazonで購入した場合、初期不良に該当した場合などのサポートが手厚いのでAmazonでの購入が無難でしょう。
Herbstick Relaxでオススメのシャグ
PAX3とかなり近しい構造をしているためか、シャグの相性も近しい印象です。
少し他のレビュー(ブログやAmazonレビュー)なども確認しましたが、シャグの味わいが薄いという意見も散見されました。ただ、個人的にはそこまでではなく、十分運用に問題ない範囲だと感じています。ただ、私の好みがメンソールシャグメインでの使用、ハイタバコやバリシャグなどの吸いごたえが強めとされる非着香シャグを高温で使うとむせる時もあります。ヴェポライザーの好みも、喫味は良くともキック感もマイルドメインなDavinci IQなどが好みです。
どうしても個人的な好みが反映されたレビューだということをご理解いただけると幸いです。
本Herbstick Relaxのシャグレビューは個別に記載ない場合は190℃で運用しています。
チェの黒
チェ黒特有の香ばしいフレーバーは少し抑えめで、メンソール感も少し薄めなものの、タバコ葉の甘みや酸味などの風味は十分に出ています。
8分間の1セッションじっくりと楽しむことができます。
コルツクリアメンソール
メンソール感はやや抑えめで、マイルドな吸いごたえで酸味は少し強めな印象。メンソール感がかなり強いコルツクリアメンソールですが、抑えめになるので、コルツクリアメンソールのメンソール感が少し強すぎと感じる方にとってはいい感じになると思います。(私は強めが好みなので、少し物足りなく感じます)
コルツライチ
PAX3はやや着香系のシャグが苦手な印象ですが、Herbstick Relaxで吸うコルツライチは、優しい酸味とライチのフレーバーの立体感が味わえます。加熱後半はややタバコ葉の味わいが強くなってきますが、8分間の1セッション中じっくりライチのフレーバーを楽しむことができます。
ヴェポライザーの種類によってはライチ感がすぐ飛んでしまう機種もありますが、Herbstick Relaxは最後までライチ感が持続するので、コルツライチの良さを引き出していると言えると思います。
チェ赤
正直チェ赤に関してはおすすめできなそうです。他のメンソール系シャグでは喫味も出つつ、少しキック感は優しくなっている印象でした。が、チェ赤に関してはミストは出るものの、喫味が全体的に薄くなっています。
もしかしてHerbstick Relax非着香系が苦手??
ということでハイタバコ黄色とバリシャグ赤を試してみました。
ハイタバコ黄色とバリシャグ赤
ハイタバコ黄色:あれ喫味がぼやけた印象…。タバコ葉の甘みは感じるもののキック感が弱く、エグみなどもあまり感じられません。セッション後半に行くに従って酸味が強くなりつつ、キック感も増してきました。ハイタバコ黄色の本来の味を後半になると楽しめ始めました。最初は190℃で加熱していましたが、200℃に切り替えてみると早めにキック感と味わいが出始めるので、いつもの温度よりも気持ち高めの方が喫味が出やすいと思います。
バリシャグ赤:ハイタバコ黄色で200℃の方が良さそうだったので最初から200℃で試すと最初からミスト量は多いものの、キック感は薄いです。ハイタバコ黄色でも同じでしたが、後半に行くに従ってキック感と喫味が増してきました。
あくまで私の好みですが、非着香系はそこまで得意ではなく、強すぎる喫味の場合むせる事があります。その点、Herbstick Relaxであればちょうどいいキック感と喫味に感じます。
シャグポン可能で掃除も楽なメンテナンス性の高さ、温度設定幅の広さ、広いチャンバーでシャグの入れやすさ、機能面と価格とのバランスなどを加味するとヴェポライザー最初の1台として、Herbstick Relaxはかなりオススメです!